8/9-12 夏の信州巡り(その3: 中央アルプス・千畳敷カール)
目次: [予告編][その1][その2][その3][その4][その5]
コース:
1日目: 軽井沢-嬬恋-地蔵峠-小諸-菱野温泉(泊)
2日目: 菱野温泉-小諸-武石峠-美ヶ原-美ヶ原林道-松本-駒ヶ根-早太郎温泉(泊)
3日目: 早太郎温泉-駒ヶ岳ロープウェイ-木曽駒ヶ岳・千畳敷-駒ヶ根-広域農道-松川-飯田-飯田峠-大平峠-妻籠(泊)
4日目: 妻籠-木曽福島-地蔵峠-開田高原-木曽福島-宮ノ越-姥神トンネル-権兵衛トンネル-伊那
前から登ってみたかった中央アルプス木曽駒ケ岳方面。軽装備の未経験者でも千畳敷カールのお花畑までならロープウェイで行ける。という訳で、ついにそれを実行する日が来ました。
朝5時に起床。中央アルプス方面にはガスが掛かって見通しはありませんでしたが、ホテル千畳敷のブログには毎日のように雲海、雲海とありましたので、敢えてそれを心配する必要もなさそうです。
朝6時前にはタクシーが迎車に来て、相乗りの老夫婦と一緒に乗り込みます。定員6名に対し6名乗っているのでちょっと窮屈でしたが、途中バスセンターで始発のバス待ちの長い行列を見て、タクシーで正解だったと悟りました。
大田切の発電所を過ぎた辺りから巻き始めた劇坂を、小回りの利くタクシーはグイグイと登っていき、僅か30分弱で標高1660mのしらび平駅に到着。既に始発を待つ行列が始まっていましたが、余裕でゴンドラの乗車定員内。バスだったらこうはならなかったでしょうね。
駅のはずれに展示してある先代のゴンドラには昭和60年の銘板が。
6:40には始発のロープウェイが発車。ゴンドラ内は寿司詰めまでは行きませんでしたが、結構な混雑。ガイドさんのアナウンスを聞きながら森や滝を眺めながら登っていくと、次第に雲を抜け青空も見えてきました。まもなく標高2610mの千畳敷に到着。標高差1000mをほんの数分で登ってしまいました。
千畳敷駅のプラットホームのはずれから見下ろすと、下へ伸びるケーブルの向こうにあるはずのしらび平駅は白い雲海の中。ついに雲上の世界に登ってきました。
千畳敷の気温は、標高と気温の関係式通りの僅か13℃。晩秋の気温で半袖では肌寒いくらいです。
駅を出て目の前に広がる千畳敷カール。300m上方の宝剣岳の尾根には単眼鏡を覗いてやっと識別できる位の人影が数名。既に早朝から活動を開始した人々でしょうか。
お花畑の散策に出掛ける前に、まずは駒ヶ岳神社にお参りをするところから。
雲海の奥には、対面する南アルプスの山々が薄らとそびえています。
千畳敷は高山植物の宝庫。これは稚児車(チングルマ)。花が終わると…
こんなふわふわの羽毛の実になります。これが広がっているのも壮観です。
車百合(クルマユリ)。売店で球根を売っていたので、自宅の庭に植えてみました。芽を出すものか、来年が待ち遠しいです。
岩弟切(イワオトギリ)でしょうか。読んで字の如く、兄が弟を切りつける悲しい物語のある草だそうです。
高嶺郡内風露(タカネグンナイフウロ)
千畳敷の反対側までやってきました。見上げると、登山道の急斜面に大勢の登山客が米粒よりも小さくなって張り付いています。ここが駒ヶ岳の山頂方面との分岐になりますが、私たちにとっては折り返し地点です。
振りかえるとずっと向こうにロープウェイが見えます。結構歩いてきました。
帰り道には、最初に見下ろしていた剣ヶ池の方を通ります。雪解け水だけあって、とても澄んでいました。近くにベンチもあって、くつろぐには良い場所です。
剣ヶ池から脇道を降りたところに水源にもなっている沢がありました。手を漬けてみると、冷たすぎて1分と持ちません(と言われると、子供的には挑戦したくなるようです(笑))。
山ガールならぬ山マザーと山ベビー? この装備だと、山頂まで登って行ったのかもしれません。お母さん、とてもパワフルです。
朝9時前ですが、ガスが広がってきました。念願の千畳敷カールを一周できて満足感一杯になったので、そろそろ下界に下ることにします。
降りてきたしらび平の駅には、不思議なものを発見。1個で30kgの重りが20個ありました。つるべのようにゴンドラが行き来するロープウェイでは、朝晩など乗客が偏る時にこの重りでバランスを取るのでしょうか。
僅か2時間足らずの滞在時間でしたが、天気にもそこそこ恵まれ、念願の雲上の花畑を散策できて大満足です。
その4に続く